読了:傘のさし方がわからない

未分類

こんにちは。清水みやびです。

ようやく11月らしい冷たく乾いた空気になってきましたね。
私は風邪予防に鼻うがいと鼻リップをしています。

鼻うがいはもう定番になっているアレですね。
水道水でやると鼻の穴に画びょうを流し込まれたかと思うくらい痛いのですが、生理食塩水を使うと痛みはなくそれどころか液体の冷たさが心地よいくらいにすっきりします。
鼻リップは、リップスティックをくるくると長めに出して鼻の穴にぐりぐりとねじ込んで鼻孔を保湿するものです。
生理食塩水はドラッグストアで、注入用のボトルは100円ショップのドレッシングボトルを使っています。ペコペコ柔らかいタイプのものです。
リップは高保湿機能やフレーバー入りのものではなく、メンソレータムや近江兄弟社の安価なものを使っています。もちろん唇用と分けて使っています。

さて今日は「傘のさし方がわからない/岸田奈美」をご紹介します。
つい最近、NHKのドラマで「家族だから愛したんじゃなくくて愛したのが家族だった」が放送された岸田奈美さん。
ドラマ自体は見れなかったのですが、せっかくなので原作をとも思ったのですが「話題作はいつでも読める」と思い立ち今回は「傘のさし方がわからない」を手に取りました。
本なのにまるで「しゃべくり漫才」を診ているような気分になり、リズミカルに進む文章に惹きつけられました。
基本は岸田家のドタバタな日常がテーマで、その日々のなかに岸田さんならではの視点と気づきがちりばめられています。
面白いしゃべくり漫才のはずなのに、ちょっとほろりとさせられる。
そんな日常エンタメ系エッセイが本書です。

それではレビューに移りましょう。

外車を買う話

岸田さんがボルボV40を買う話からはじまる本書。
NHKドラマでも当時の車両が使われていましたが、このボルボが家族の思い出の一つとして紹介されています。
手術の後遺症で車いす生活を余儀なくされたお母さまの岸田ひろ美さんが、手動装置で車を運転することで「ようやく私も家族の役にたてる」と喜ぶエピソードが印象に残っています。
お母さまの岸田ひろ美さんが、車に横付けした車いすから運転席に乗り移り、片手で車いすを持ち上げ後部座席に乗せる動画を私も当時使用していたSNSのアカウントにて拝見しました。
手動装置を搭載した自動車の存在は知っていましたし、友人にも手動装置を使用して自動車を運転している人はいるので珍しいとは思わなかったのですが、動画の中で岸田さんが楽しそうにされているのが印象に残っていたので読みながら思い出すことができました。
お母さまがはじめに乗っていた国産車も寿命に近くなり、次の車を探すとなったときに「思い出のボルボをもう一度」という流れになるのですが、ここで岸田家に訪れるピンチ!!
果たして「思い出のボルボ」を手に入れることができるのか?

弟の粋なアレ

岸田さんにはダウン症の弟さんがいらっしゃいます。
ある日、自宅のテーブルに細かく切った海苔を貼り付けたおにぎりと、小さな置手紙が置かれていたところからこのエピソードは始まります。
おにぎりと置手紙の差出人は弟さんで、少し前から忙しくされていたお母さまの体調を案じて「朝ごはん作ったから食べてね」という粋な計らい。
ダウン症のため、書字作業はもとより自分の身の回りのことが精いっぱいだと思い込んでいた姉の奈美さんとお母さまのひろ美さんはびっくり仰天。
爆泣きするお母さまを茶化した奈美さんが叱られるところまでが岸田家のショートコント。というか浪速節。
そして、弟さんも岸田家の血筋をしっかり引いているのでこのおにぎり付き置手紙だけでは終わらせません。弟さんの置手紙はこれで終わらず、二通目にして「真の目的」が明らかとなります。
そして、自らの目的を達成するための置手紙が弟さんに新たなスポットライトを照らすことになります。
このエピソードは読んでいて痛快でした。

最後に。。。

お父様を早くに亡くされた岸田家。
お母さまの車いす生活に、ダウン症の弟さんとなかなかに苦労人の著者の奈美さんの日常サバイバルコメディがぎゅっと一冊にまとめられています。
選択肢が限られているからこそ、その中でより良い方向に向かったり向かってる途中を目一杯楽しもうとするタフさは読んでいて勇気をもらえます。
私自身も、軽度の視覚障害があり世のモノゴトに理不尽を感じたり選択肢の少なさを嘆きそうになったことはたくさんありました。そのせいか、「うんうん、そういうことあるよなぁ」とわがことのように面白く読んでいました。
そして同時に、想像力を働かせて日々の様々なことに目を向けると見えてくる面白さやありがたさについても随所にちりばめられている一冊です。
モノゴトがうまく運ばない、最近ツイてないな~って感じてる人に読んでほしい一冊です。

今日はこの辺で。。。

コメント

タイトルとURLをコピーしました