こんにちは。清水みやびです。
私の住む首都圏はなかなか秋が来ませんね。
私のタンスの周囲は半袖と長袖と羽織るものが混在しており、気候のせいでちっとも片付きません。
暑さにも飽きたので、寒い夜にもつ鍋をつつくイメージトレーニングをしている毎日です。
さて、みやびの本棚2冊目は『成瀬は信じた道をいく/宮島未奈』の感想を書いていきます。
前回の『成瀬は天下を取りに行く』の第2幕といったところの一冊。
バイタリティモンスター成瀬あかりがパワーアップ。さらに様々な人々を巻きこみながら、信じた道を
進みます。
本書の紹介
成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。
「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー(をやめたい)主婦、観光大使になるべくしてなった女子大生……。
個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?
面白さ、ますますパワーアップの全5篇!
成瀬イズム?ゼゼカライズム継承へ
ひょんなことから「ゼゼカラ」を学校の調べ学習の題材にすることになる小学生の北川。
実はゼゼカラの漫才を生で見て以来、「膳所から世界へ」の決め台詞を自身のノートに書き写す
くらいゼゼカラを推している北川少女。
素人漫才コンビのゼゼカラがこれほどまでに少女から推されるようになったのは、ゼゼカラのネタがすごく面白かったというだけではなく、そこには「さすが成瀬」といわしめるエピソードがあった。
ゼゼカラの二人と過ごす時間が増えていく中で、北川少女が成瀬、島崎の二人から様々なアドバイスや勇気づけをもらう。
家族や学校以外の交友がなかなかできにくい小学生にとって、ゼゼカラの二人が良きお姉さんになる。
京大生 成瀬誕生
文武両道、健康優良が売りの成瀬。進学先を京都大学に定め合格を勝ち取る。
しかしそこは成瀬あかり、受験当日にもありえない珍事を巻き起こす。
(珍事を巻き起こしながらも合格を勝ち取る成瀬、さすがです。)
大学生活が始まり、今まで縁の無かった流行りにふれ、キラキラしたキャンパスライフを送るのかと思いきや?
学業、アルバイト、そして新たに地域貢献活動として「びわ湖大津観光大使」の活動を始める。
膳所(ぜぜ)から本当に世界に羽ばたいていってしまうかもしれない⁉
やっぱり健気な相方島崎
大学進学を機に膳所から離れた相方島崎。
ようやくスマホを持ち始めた成瀬と頻繁にメッセージのやり取りをするが、大学進学と生活拠点が
かわったことでじっくり成瀬との時間が取れなくなってしまう。
ゼゼカラはこのまま自然消滅か?
成瀬に対し、ある懸念があった島崎。
成瀬と離れることで抱いていた懸念に向き合うことになるが、そこを経てもやっぱり成瀬のことが好きな自分に気づく。
そんな島崎の複雑な心境をよそに、成瀬は突如として失踪してしまう。
成瀬が向かった先は? そしてその目的は?
バイト先でも無双?
スーパーマーケットでアルバイトを始めた成瀬。近所に住むクレーマー気質の主婦と出会う。
当人は「このクレーマー気質をなんとか止めたい」と願っているのだが、なかなか自分を変えられないことに焦りや苛立ちを覚えますますクレーマーとして磨きがかかってしまう。
ある日、平穏なスーパーマーケット内で事件が起きる。この事件を解決すべく成瀬と共闘することになったクレーマー(をやめたい)主婦。
事件の先にクレーマー(をやめたい)主婦が見た顛末とは?
最後に。
「また成瀬に会えるんだ!」
本書の存在を知り、久しく会っていない友人に会えるわくわくした気持ちで手に取りました。
活動範囲を広げた先に出会った人たちとが、成瀬自身の成長の促進剤となっていて、好奇心が先行して
いた前作以上に成瀬の吸収力にも目を見張るものがありました。
新たな人間関係の構築の中でも、相方島崎の存在は大きく揺るぎない二人の間に流れる空気感がとても読んでいて愛しいものでした。
「成瀬にまた会える」と書きましたが、実は「成瀬を見ている島崎に会える」という部分が私の中にも
あったのかもしれません。
今回はここまで。。。ではまた。
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