読了:成瀬は天下を取りに行く

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こんにちは、清水みやびです。

「みやびの本棚」にようこそ。
ここでは私が読んだ書籍をご紹介、感想をつづっていこうと思います。
基本的には私の備忘録、脳からのアウトプットを目的としておりますが、もし、内容に共感したり私が
読んだ作品に興味が湧きましたらぜひお手に取っていただき読んでいただけたら嬉しいです。

第1回目の今回は「成瀬は天下を取りに行く/宮島未奈」を読んでの感想に入ります。 

本書の紹介

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。
各界から絶賛の声続々、いまだかつてない青春小説!
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。

役目を終える百貨店×フッ軽女学生

フッ軽女子中学生に好奇心をプラスしたのが本作の主人公、成瀬あかり。
地元大津を愛し、目標を「●●歳まで生きること」と公言し日々学業、スポーツ、健康管理に余念なく
過ごすだけでなく、自身の興味に素直に応じ行動を開始する。
そんな文武両道、健康優良な成瀬にもどうにもできないのが「コロナ禍」。何かと制限をされた日常の中にあっても「何かを成し遂げてみたい」という衝動を抑えることなく目を付けたのが地元にある西武大津店の閉店。
最終営業日まで地元ローカルテレビの中継に映り込み、インタビューまで受けてやろうという目論見。
大人からすると「なんじゃそりゃ?」とずっこけそうになるが成瀬本人はいたって真面目。
さぁ、行動制限ガチガチの中の成瀬の挑戦の結果やいかに?

相方、島崎の健気さ

バイタリティモンスターの成瀬、単独でも何かを成し遂げてしまいそうだがその傍らには良き理解者を置く。
ある目的を達成するために結成された中学生コンビ「ゼゼカラ」の相方、島崎である。
成瀬と同じマンションに住む同学年という偶然から二人は出会う。
初めから「竹馬の友」という訳ではなく、成瀬と島崎、それぞれの心理的成長スピードが合致して
現在の二人の関係となる。
バイタリティモンスターの成瀬だが、物事を進めるうえでの細やかな部分までは行き届かず・・・。
そこで相方、島崎の登場である。
島崎は年齢相応の感性を持ち、流行りのものに詳しく、また物事を俯瞰して見ることができる。
ありがちな「女子同士のべったり仲良し」という感じではないので、男の私が読んでいてもすごく
心地のよい展開。

誰もやろうとしないことへの挑戦

成瀬は「奇行」ともとられかねないほどの行動を示す。
人生経験をある程度積んできた中年男である私にはまぶしいと感じると同時に、「俺もなんかやってみようかな」と若干重たくなったお尻を持ち上げてみようかと思える1冊です。
「若いからできる」「学生で時間があるからできる」と思うのは早計で、今からでも、何歳からでも「何かに挑む」ということを後押ししてくれます。
成瀬に背中を押してもらえる気分です。
実はこのブログを始めたのも、成瀬にアテられたのも少しあったります(笑)

琵琶湖・膳所に出かけたくなる。

地元愛爆発の成瀬と島崎が処狭しと動きまくる大津市・膳所(ぜぜ)地区。
細やかな描写のおかけで、西武大津店跡地、膳所駅、琵琶湖に行きたくなること間違いなし。
作中、成瀬の初デート(?)にもなる琵琶湖をクルージングする遊覧船『ミシガン』。
まだ琵琶湖を訪れたことのない私は行ってみたい衝動に駆られ、この記事を書いている横で
ツアーについて調べています。

最後に。

コロナ禍で得られるはずだった経験や思い出作りの場を奪われたという話を聞くようになって久しくなります。
特に学齢真っ只中の若者たちには耐えがたい期間だったと思います。
それでも「やれそうなこと」「やってみたいこと」をあきらめず見つけ出してくる成瀬のキャラクター
に、私個人がモットーにしている「さて、どうするか?を常に問う」という部分を勝手にオーバーラップさせながら読んでいました。楽しませていただきました。

今回はここまで。。。


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